【子どもが主役の文化継承】NoMaps KIDSがもたらした「次世代の参加動線」と未来へのインパクト

星野 恵

NoMaps KIDS 統括・一般社団法人相互支援団体かえりん 代表

NoMaps KIDS立ち上げメンバー。集客・参加動線の設計を担当。
「子育て相互支援団体かえりん」を創業し、子ども向けイベントの企画・運営に長年携わり、地域コミュニティづくりや文化継承の仕組みを研究。2023年よりNoMapsのKIDSカテゴリーを主導し、一般層・次世代を巻き込む新たな参加モデルを構築している。

記事のハイライト

  • KIDSカテゴリーの起点と、活動の根底にある「モヤモヤ」

  • KIDSから生まれた未来へのインパクト

  • 「ハッピーセット戦略」──文化継承をつくる仕掛け


KIDSカテゴリーの起点と、活動の根底にある「モヤモヤ」

NoMapsに関わり始めたきっかけと、その際の印象について教えてください。

NoMapsに参画することになったきっかけは事務局長の廣瀬さんから「NoMapsでKIDSというテーマでなにかできませんか?」と相談があったことがきっかけでした。

当初は“大変すぎる”と半ば断るつもりでしたが、「子どもフリマをNoMapsという大きな場で展開したい」 という思いが重なり、参画を決めました。

子どもフリマ:子どもたちが主体となって不要になった品物を売り買いする、体験型の教育イベント

旗振り役になる際の根底にあった、最も強い課題意識は何ですか?

私の周りにはNoMapsを知っている人がほとんどいなかったことです。男性ビジネスパーソンの参加が多く、特定の層に偏っている印象がありました。男性ビジネスパーソン以外もみんな頑張っているのに、その活動が知られていない。

私ができるのは、今まで関わってこなかった女性や子育て層、そして未来をつくる子供達にも関わってもらう入口をつくることだと考えました。

NoMapsに関わり続ける原動力や理由は?

NoMapsは、一度関わると抜け出すのが難しい「魔法的」な引力があります。NoMapsに関わることでのわかりやすいメリットは難しいけれど、「NoMapsに関わる人のロマンには携わりたくなる」んです。

NoMapsの価値は短期的な「そろばん」(利益)ではなく、長期的な「ロマンの集合体」。そのロマンを見続けられるから、積極的ではないながらも「やれることを考える」という姿勢でいます。

KIDSから生まれた未来へのインパクト

あなたの “#NoMapsのおかげ(NoMapsをきっかけに生まれた価値や変化)” を教えてください。

NoMapsは「失敗の連続」を土壌としているため、世の中に不足している「チャレンジするための機会」という環境とやり方を提供できます。

NoMaps KIDSが生まれたことで、特定の層に閉じていた「モヤモヤ」を解消し、今まで関わってこなかった一般層や次世代をNoMapsに巻き込むことができました。

例えば、社会人になって初めてチャレンジする50代の方が「すごく勇気がいりました」と言いながらも一歩を踏み出してくれたこと。これは、個人だけでなく、地域全体に「挑戦できる土壌がある」という認知を広げた変化だと思います。

また、KIDSカテゴリーが利己的ではない、文化の醸成という長期的なロマンに重きをおくことで、行政や特定の利益団体に依存しない、地域住民の自発的な関与を促すベース(土台)を作り続けています。

「ハッピーセット戦略」──文化継承をつくる仕掛け

KIDSを通じて、今後実現したいことを教えてください。

それは「ハッピーセット戦略」です。そこに行けばいつもおもちゃがもらえたような、楽しかった思い出が大人になっても生きているように、子どもの頃の楽しさは大人になって“追体験したい”ものだと思うんです。NoMapsでの体験を子ども時代に記憶に刻んでいくことが、文化の継承につながると考えています。

今回は来場者として参加した側が、次は運営側に回るという、継承までの「動線」を結びつけることです。始めは遊びに来ていただけだった私の娘が、翌年には自らスタッフとして大通公園で活動していたエピソードは、理想の形です

NoMaps KIDSがあることの価値は数字では語りづらいですが、未来の文化の継続に不可欠だと思っています。目先の利益ではなく、長期的なロマンを追求できる人が、札幌や北海道のベース)作り続けることが重要。

NoMaps自体は組織というよりも、アメーバのように形を変えて広がっていくものだと思うので、私の個人的な意思はNoMapsにはあまり必要なく、時代に呼応しながら変わり発展していけば良いと思っています。

その動線を強化するために必要な要素は何でしょうか?

中高生がすごくライトに関わる場があったらいいな。学校の授業でやっているものとは別に、誰でも参加できるという場が少ないと感じています。

例えば、NoMaps ボランティアの仕組みを、学生が搾取されない体験価値として設計するとか。収益が欲しければ自分で立ち上げてやってみたら、というスタンスも大切だと思います。

最後に、これからNoMaps KIDSを担う次世代のスタッフや参加者に向けて、メッセージをお願いします。

可能性や価値は自分で掴み取れ。それこそがNoMapsの面白さです。
また、「ロマンの集合体」であるNoMapsは、情熱ではなくロマンによって動いているんです。

インタビューを終えて

地域として、挑戦し続ける土壌を次世代へ渡していく。

NoMaps KIDSは、短期的な成果ではなく、10年後・20年後の札幌が「挑戦することが当たり前の街」になる未来を見据えている。

NoMapsはこれからもアメーバのように形を変えながら、次世代が自ら可能性を掴み取るための“動線”をつくり続けるだろう。

HOME

arrow_forward